皆が結婚している方が異常??今と昔の未婚率について考える

未婚率の上昇。これはもう何年もメディアやSNSで騒がれているので、知らない人はいないと思う。多くの人は未婚率の上昇は最近起こり始めた現代の悩みと思っているだろうが、実はそんなことはないんだ。

結論から言うと、江戸時代では未婚率は高かったし日本人はもともと独り身が多く、結婚は当たり前ではなかった。皆が結婚していたという、いわゆる皆婚時代の昭和が異常だったのだ。

どうしてそう思ったのか、そう結論づけられるのかを解説していきたいと思う。

目次

未婚率とは

生涯未婚率(しょうがいみこんりつ)は、日本政府人口統計で用いる用語で、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人間の割合を意味する。

Wikipedia

Wikipedia先生が教えてくれた情報は上の通り。50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合。どうして50歳を上限にしているのかは皆も予想できるとは思うが、大体の人は50歳までには結婚しているし50歳以上で結婚している人は再婚の割合が非常に高い。

そのため、生涯未婚率を50歳で区切ってしまっているというところだ。

皆婚時代の歴史は浅い

次に皆が結婚していた皆婚時代について触れていきたいと思う。皆婚時代は、昭和時代の皆が結婚していた時代をさす。

グラフからもわかる通り、未婚率は年々増加しているが、これはあくまで昭和の時代と比較したときの数字になる。昭和の時代は、大多数が結婚していたのだ。では、それ以前の時代の未婚率はどうなっていたのだろうか。

↑こちらの記事でも未婚について触れているので、よかったら見てほしい。

江戸時代の江戸と令和の東京

江戸時代の婚姻はどうだったのだろう。

まず初めに言っておきたいのは、江戸時代は未婚者や離婚者がたくさんいたということだ。つまり独り身がたくさんいたし、それは珍しくもなんともなかったのだ。結婚は家を残すために、あくまで手段として用いるものであって目的ではなかったことが当時の価値観だったのだろう。

また、結婚は身分が高いものがするもの、という認識もあったようで、分家の人間や使用人、隷属農民などは労働力という側面でしか評価されていなかったのかもしれない。

江戸時代の都市部

江戸の町人人口は寛永11年(1634)に約15万人、明暦3年(1657)に約28万人、元禄6年(1693)に約35万人、享保6年(1721)には約50万人と推定されている。これに武家人口50万人を加えると、江戸の総人口は約100万人となる。国内はもちろん、当時のヨーロッパ諸都市と比べても、ずば抜けた巨大都市だった。

https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1657_meireki_edotaika/pdf/1657-meireki-edoTAIKA_03_chap1.pdf

都市部、今回は江戸で話を進めていくが、当時は世界随一の人口密集地帯だった。すでに100万人都市を形成し、ヨーロッパと比べても引けを取らない大都市だった。

当時の農村部

今でも少し習慣が残っているかもしれないが、江戸時代の農村部では家を継ぐとなったときは長男に白羽の矢が立つ。長男は家を残すため、結婚して子を作った。昔は今と違って、兄弟姉妹がたくさんいたため、男兄弟の長男以外は家を継ぐことができず、江戸に仕事を求めて移住していた人も多いと聞いている。

江戸の街が100万人都市になり得たのはこういった背景もあるのかもしれない。そう考えると、今も昔も東京(江戸)に人が集まる理由は変わっていないんだなと感じる。

ちなみに、とある村の江戸時代のデータでは、男の未婚率は全体で46%であるのに対して、分家親族は62%、隷属農民は67%が未婚だったとかなんとか。いかに未婚率が高く、それが当たり前であったかがわかる。

江戸は男性比率が高かった

人口が多く、かつ田舎から労働力としての男が流入する。そんな状況から、男性比率が高くなったと思われる。

江戸時代全体を通じてそうであったわけではないが、1721年(享保6)だけで見てみると江戸の町人人口は約50万人で、そのうち男性は32万人女性は18万人といったところ。男女比でみると5:3の比率になる。また、参勤交代で全国から武家(男)が集まるため、これも男性過剰に拍車をかけていたと考えられる。

日本人はもともと結婚していない割合の方が高かった

結論です。昭和から令和にかけてみてみると、結婚することが当たり前で未婚率は年々上昇しているように見えるが、江戸時代から令和にかけてみてみると、未婚率が高い時代の方が長く、皆婚時代の方が圧倒的に短い。つまり皆婚時代が異常だったことがわかる。

現代の離婚率

上の図を見てほしい。離婚件数は昭和に比べて圧倒的に高くなっている。つまり、仮に結婚したとしても離婚してしまっている人も多いのだ。未婚率と離婚率を考慮して考えると、やはり結婚が当たり前と考える今の価値観に違和感を覚えてしまう。

しかし、グラフからもわかる通り、平成の頃に離婚件数のピークは迎えていて、今は少し落ち着き始めている。皆婚時代が終わり、本当に結婚したい人たちだけが結婚するようになったことや、人口が減ってきていることが理由だとは思うが個人的には離婚率自体はどんどん低くなっていってほしいと願うばかりだ。


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この記事を書いた人

やくてぃーです。
30代男性。普段は薬剤師として日々患者さんのために働いています。

理想の相手を求めて、20代の頃に合コンやマッチングアプリ、友人の紹介など色々な出会い方を試した結果、マッチングアプリで出会った女性と結婚することができました。

今までの経験や活動を通じて得た知識を今のアラサー(特に20代)の人にも活かしてもらえないかなと考え、ブログ記事を書いています。

男性からの視点の記事が多いですが、女性にも有益なブログを目指しています。
男性はこんな考えを持っているのかと参考にしてみてください。

どうぞよろしくお願いいたします。

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