野球が得意な人がサッカーをやろうとしても、本領を発揮することは難しいだろうし、理系の人が文系科目で文系に勝つことも難しいだろう。身を置く場所によって、有利にも不利にも働くのは恋愛に限った話ではない。環境を理解することは非常に有益だ。
本題に入ろう。婚活市場において、大きなシェアを持っているのがマッチングアプリと結婚相談所だろう。この二つの市場では、男女比が異なる。マッチングアプリでは男性が多く、結婚相談所では女性が多い。なぜこのような違いが生まれるのか、これを少しずつ紐解いていこうと思う。
人口性比自体は、女性の方が多い
まずは日本人口の男女比からみていこう。下の図と文章は総務省統計局より引用したものだ。
平成22年国勢調査による総人口(1億2805万7千人)を男女別にみると,男性は6232万8千人,女性は6573万人となり,女性が男性より340万2千人多く,人口性比(女性100人に対する男性の数)は94.8となっている。
総務省統計局ホームページより
我が国の総人口について男女別構成の推移をみると,大正9年から昭和15年までは男性が女性を僅かに上回り,人口性比は100~101で推移していたが,戦争による軍人・軍属等の海外流出及び男性の死亡によって男女別構成が大きく変化し,20年には89.0と著しく低下した。その後,海外からの引揚げ,復員及び0~4歳人口の増大i(第1次ベビーブーム)により,人口性比は昭和25年には96.2に回復した。人口性比は,昭和30年から45年まで96.4~96.5で推移し,50年は第2次ベビーブームの影響で96.9に上昇した。しかし,その後は,男女の死亡率の差異が大きい高齢者の増加に伴い,人口性比は緩やかな低下傾向で推移している。
人口比で見てみると女性の方が多い。これは男性より女性の方が長生きをすることに由来している。赤ちゃんから年寄りまでを含めると、女性の方が多い。
若年層の人口性比は男の方が多い
上の図を見てほしい。これは平成22年度の年齢別人口性比の図で、縦は”男性の数/女性の数”を表しているが、結婚を考えている年齢では男性の方が数が多いことがわかる。
また、表3-4をみると、どの時代でも結婚を考えている年齢では男が多くなっていることもわかる。
つまり、基本的に結婚を考えている年齢において、男性は女性より数が多いのだ。
生物としての宿命
生物は次の世代により強い遺伝子を残すそうとする。オスたちは競い合い、メスを勝ち取る。自然界ではこのような競争が日常的に行われているが、実は人間も競争している。競い合う方法は見た目や収入などと思っている人が多いだろうが、これはおおむね間違っていない。しかし、男の方が数が多いと、競争が生まれやすくなる。つまり競争が起きやすくなる。
男の数が女の数より多いことは、種としてより良い遺伝子を残す手段としては効率的なのだ。
そう考えると、マッチングアプリでも結婚相談所でも、男の数が多くなるのではないかと思えてくる。しかし現実は違う。これはどうしてだろう。
マッチングアプリと結婚相談所
この二つの違いからみていこう。マッチングアプリでは、いろいろな運営元のアプリが多数存在し、異なる目的を掲げている。あるマッチングアプリでは恋活をメインに据えていたり、あるマッチングアプリでは婚活をメインに据えていたりと、多種多様だ。全体的には軽い感覚で利用できる恋活目的が多い印象もある。とりあえず彼氏彼女がほしいな。結婚は、まぁ良い人がいたらしたいかな。といった具合だ。
つまり、マッチングアプリは気軽に始めることができる。ただもちろん真剣だの高いアプリもあるので、結婚相談所は少し気が引ける…という人にはそっちがおすすめだ。
一方で結婚相談所はというと、結婚を前提としている以上、真面目な出会いを求めている人が多い。
恋愛もしたいが、それは結婚を意識した相手じゃないと嫌だ。そんなところだ。
男女の意識の差
男女での結婚に対する意識の差が答えになってしまっている。女性は早く結婚したいと思う割合が男性に比べて多い。
これは年齢による出産リスクを考慮したものだと考えられる。年齢が高くなればなるほど、出産リスクは大きくなると言われているからだ。
そのため、女性は男性に比べて、結婚を意識した交際をしたがる。そう考えると、結婚相談所の女性比率の高さには合点がいく。
男性は結婚はいつでもできるからと楽観的な人が多い。また、とりあえず恋愛をしたいとまずは軽い関係を持ちたいと考える比率も、やっぱり男性のほうが多い。
お互いの持つニーズを知ろう
男女で、お互いに求めているものや価値観が違うということは、マッチングアプリや結婚相談所を利用するにあたって覚えておいたほうがいいだろう。
また、マッチングアプリのなかでも真剣度の高さが異なるので、自分の用途に合わせたアプリ選択が非常に重要になってくると思う。
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